ワイヤ放電加工機とは？用途、注意点を解説！

ワイヤ放電加工機（Wire EDM Machine）は、金属材料を非常に精密に切削加工するための工作機械の一種です。

ワイヤ放電加工機は、電極として細い金属ワイヤーを使用し、電気放電を利用して材料を切削する方法を採用しています。

本記事では、ワイヤ放電加工機の用途、運用方法、注意点などについて解説します。

ワイヤ放電加工機とは

放電加工は、被加工物と電極の間で発生するアーク放電の火花の熱を利用して、被加工物を溶かして加工する手法です。

被加工物が電気を通す材料であれば、その硬さに関係なく加工が行えるため、主に金属加工に応用されています。

金属の加工手段としては切削加工が主流ですが、切削加工では被加工物よりも硬い材料を削るためには、より硬い工具が必要です。

特に高い強度が求められる金型製造においては、焼入れ材や超硬合金といった非常に硬い材料が用いられますが、これらの材料を切削加工で加工することは難しくなります。

しかし、放電加工では被加工物の硬さに関わらず、高い精度での加工が実現できるため、金型製造では重宝されています。

金型以外にも、高い強度を要する部品の加工に幅広く活用されています。

ワイヤ放電加工機の用途

ワイヤ放電加工機は、高い精度と細密な加工が要求される部品や工作物の製造に幅広く用いられます。

主な用途は次のとおりです。

金型製造

金型の精密な加工や形状の切削に使用されます。

金型は自動車部品や電子機器などの製造工程で欠かせないものであり、高い寸法精度が求められます。

プロトタイピング

新しい製品の試作品やプロトタイプの製造に適しています。

細かいディテールを持つ部品や複雑な形状も高い精度で切削できます。

電子部品製造

電子機器の基板や部品を作成するために使用されます。

細かい回路パターンや穴を精密に切削できるため、高い信頼性が求められる電子機器の製造に適しています。

航空宇宙産業

複雑な形状や高耐久性が求められる航空宇宙部品の製造にも使用されます。

ワイヤ放電加工機の主要メーカー

ワイヤ放電加工機の主要メーカーは次の3社です。

三菱電機株式会社

三菱電機は日本の大手電機メーカーで、広範な産業分野でさまざまな電子機器や設備を提供しています。ワイヤ放電加工機もその中の一つで、高品質な加工機を提供しています。三菱電機のワイヤ放電加工機は高精度な加工と信頼性に優れているとされています。

株式会社ソディック

ソディックは日本のワイヤ放電加工機のメーカーで、世界的に評価されている高精度な加工機を提供しています。特に高速ワイヤ放電加工機の分野で優れた製品を展開しており、工作精度や加工効率の向上を追求しています。

株式会社牧野フライス製作所

牧野フライス製作所は日本の工作機械メーカーで、ワイヤ放電加工機の他にも多くの工作機械を製造しています。高品質なワイヤ放電加工機を提供しており、幅広い産業分野で使用されています。

これらのメーカーはワイヤ放電加工機の分野で確立された技術と経験を持ち、加工業界において重要な役割を果たしています。適切なメーカー選定は加工目的や要件に合わせて行うことが重要です。

まとめ

今回は、ワイヤ放電加工機について解説しました。

ワイヤ放電加工機は、金属材料を非常に精密に切削加工するための工作機械の一種です。

新品で導入するには高額な費用がかかるため、導入を検討される場合には中古機械も併せてご検討ください。

また、古くなった中古機械を売却する際はダイナにご相談ください。