こんにちは、株式会社ダイナの広報担当・松本です。
iPhoneがどんどん高くなるなど、円安によって影響を受けるのは一般消費者だけではありません。2024年に入り150円を超える円安が続く中、工作機械業界はどのような影響を受けているのでしょうか?
この記事では、円安によって工作機械業界が受ける恩恵と課題を解説します。
円安の恩恵
1つは、輸出量の増加です。工作機械は日本の主要輸出品目の一つであり、円安は輸出価格を下落させ、海外からの需要を増加させる可能性があります。工作機械市場における通貨価値が円に対して上昇していることから、恩恵を受けやすい状況と言えます。
もう1つは企業の業績アップです。輸出増加に伴い、工作機械メーカーの業績は向上することが期待されます。実際に2023年の工作機械販売額は前年比3.1%増の1兆6,166億円で、3年連続で増加しました。部品不足が徐々に解消に向かう中、販売額も高水準を維持し、5年ぶりに1兆6千億円を超え、過去2番目の水準となりました。
参考:一般社団法人日本工作機械工業会(JMA)統計
円安の課題
円安の課題は輸入コスト上昇と国内需要の不透明感の2つです。工作機械の製造には、鋼材や電子部品など多くの輸入品が使われています。円安は輸入コストを上昇させ、メーカーの収益を圧迫する可能性があります。
それに加えて、円安は国内物価上昇を招き、設備投資を抑制する可能性があります。設備投資は工作機械需要の重要なトリガーの1つであり、円安による国内需要の不透明感は業界にとって懸念材料となります。
今後の見通し
短期的に見ると、米金利上昇と日米金利差拡大の観点から、円安傾向は継続する可能性が高いと考えられます。長期的な影響については、世界経済の動向や各国の金融政策、投機筋の動向など様々な要因が複雑に絡み合い、不透明な状況と言えます。
今後も円安と工作機械業界について考察いたします。
まとめ
円安は工作機械業界にとって、輸出増加による恩恵と輸入コスト上昇や国内需要不透明感による課題の両面をもたらします。今後、工作機械業界が円安の影響をどのように乗り越えていくのか、注目されます。
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