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前月比10.6%減少した工作機械受注|背景にある要因を考察【2024年8月】

2024年8月の工作機械受注統計速報によると、受注総額は1,107億7,100万円で、前月比で10.6%の減少となり、前年同月比でも3.5%減少しました。ここでは、前月比・前年同月比で受注額が下降した原因を詳しく考察します。

目次

受注が減少した3つの要因

前月比・前年同月比共に減少した要因は3つ考えられます。

  1. 夏季休暇による生産活動の減少
  2. 急激な円高の影響
  3. 中国や他国の経済減速の影響

夏季休暇による生産活動の減少

8月は一般的に夏季休暇の時期であり、多くの企業が操業を一時停止したり、稼働率を下げたりします。特に製造業においては、生産ラインの停止や縮小が受注に直結することも少なくありません。そのため、工作機械の新規受注も減少する傾向にあり、これが8月の受注総額の前月比・前年同月比での減少につながった可能性があります。

急激な円高の影響

出典:外国為替相場チャート表 | 三菱UFJ銀行

ここ1~2ヶ月でドル円相場が約20円変動し、急激な円高が進行しました。7月に161円と円安となりましたが、9月10日には142円と大きな変動がありました。

円高は輸出産業において、日本製品の競争力を低下させる要因となり得ます。工作機械もその例外ではなく、輸出価格の上昇により海外からの注文が減少した可能性があります。特に受注総額のうち外需の減少(前月比89.1%)が顕著であり、為替の影響が大きかったと考えられます。
参考:外国為替相場チャート表 | 三菱UFJ銀行

中国や他国の経済減速の影響

主要輸出先である中国をはじめとする各国の経済減速も工作機械の需要に影響を与えたと考えられます。中国の製造業の低迷は、日本からの工作機械の輸出需要を減少させる要因となることが多く、これが外需の減少に寄与した可能性があります。

実際に、中国国家統計局が発表した8月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は、49.1で前月から3ポイント低下、6カ月ぶりの低水準に沈みました。景況拡大と縮小の分かれ目となる50を4カ月連続で下回っています。
参考:2024年8月中国采购经理指数运行情况 – 国家统计局

まとめ

8月の工作機械受注統計の下降は、夏季休暇による生産活動の減少、急激な円高、輸出先国の経済状況の悪化など、複数の要因が重なった結果と考えられます。これらの要因を考慮しながら、今後の受注統計の動向を注視する必要があります。

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