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工作機械受注の4年サイクルとは?

こんにちは、株式会社ダイナの広報担当・松本です。

工作機械受注は、世界経済の景気変動の影響を受けやすい指標です。近年は、自動化や環境対応などの需要拡大により、底堅い動きを見せていますが、過去を振り返ると、おおむね2年かけて落ち込み、2年かけて回復するという「4年サイクル」を繰り返していることがわかります。

この記事では、工作機械受注の4年サイクルについて解説します。

目次

4年サイクルの背景

工作機械の4年サイクルは、主に以下の要因によって形成されています。

  • 設備投資
  • 世界経済の景気変動
  • 為替

設備投資

企業は景気拡大期には設備投資を拡大し、景気後退期には縮小する傾向があります。工作機械は、設備投資に不可欠な機械であるため、工作機械受注は設備投資動向に大きく左右されます。

2020年はコロナ禍の影響で、設備投資が大幅に減少する中、自動車産業や航空機産業などの落ち込みが顕著でした。2021年、コロナ禍からの景気回復に伴い、設備投資は大幅増加しました。2022年前年の高水準から反落しましたが、半導体製造装置やEV関連への投資が堅調に推移しました。しかし、中国市場の景気減速の影響を受け、後半は伸びが鈍化。

2024年は、半導体製造装置やEV関連への投資の活発化や中国市場の回復も期待されています。

世界経済の景気変動

世界経済の景気拡大期には、製造業の生産活動が活発化し、工作機械に対する需要が高まります。逆に、世界経済の景気後退期には、製造業の生産活動が停滞し、工作機械に対する需要が低迷します。

2023年、中国市場のロックダウンや世界的なインフレの影響を受け、中国企業の設備投資が大きく減少しました。

為替レート

工作機械は、輸出されることも多いため、為替レートの変動も工作機械受注に影響を与えます。円安の場合には、輸出企業にとって有利となり、工作機械受注の増加につながる可能性があります。

2024年5月現在では、1ドル150円を超える円安が続いており、工作機械受注にとっては追い風となる一方、材料を輸入コストの高騰などが懸念されています。

4年サイクルの今後の見通し

2023年は、半導体製造装置やEV関連需要の低迷、中国経済の減速などにより、工作機械受注は12カ月連続で前年同月を下回りました。しかし、2024年に入ってからは需要が徐々に回復し始めており、高い水準が期待されています。

2024年後半には、主に国内で半導体製造装置やEV関連の需要が再燃するほか、欧米市場の金利引き下げに伴う中小企業の投資活発化にも期待できます。これらの新たな需要が、工作機械受注をさらに押し上げる可能性があります。

今後は、世界経済の成長率、金利動向、政治情勢など様々な要因によって、工作機械受注の4年サイクルがどのように変化していくのか注目されます。

まとめ

工作機械受注の4年サイクルは、設備投資の波、世界経済の景気変動、為替レートの変動という3つの主要な要因によって形成されています。近年は自動化や環境対応などの需要拡大により底堅い動きを見せていますが、世界経済の動向によって受注量は大きく変動する可能性があります。

今後は、これらの要因を注視しながら、工作機械受注の動向を分析していくことが重要です。

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