こんにちは、株式会社ダイナの広報担当・松本です。
日本工作機械工業会は、2024年3月分の工作機械受注統計(速報)を次の通り発表しました。
2024年3月 | 前月比 | 前年同月比 | 2024年累計 | 前年同期比 | 2023年累計 | |
受注総額 | 1,356億4,700万円 | 118.8% | 96.2% | 3,608億1,500万円 | 91.5% | 1兆4,860億519万円 |
内需 | 492億4,900万円 | 151.3% | 99.8% | 1,123億9,500万円 | 85.3% | 4,768億2100万円 |
外需 | 863億9,800万円 | 105.8% | 94.3% | 2,484億2,000万円 | 94.6% | 1兆96億9800万円 |
前月比118.8%と18.8%上昇したものの、前年同月比では➖3.8%と先行き不安な推移を続けています。
この記事では、工作機械受注に深く関連する中国景気について解説します。
春節後の中国景気に注目
三菱UFJリサーチ&コンサルティングによると、中国景気は減速しているが、下げ止まりの兆しがみられています。3月の製造業PMIは上昇し、景況感の境目である50を6ヶ月ぶりに上回りました。非製造業も上昇し、9ヶ月ぶりの高水準を記録しました。
ただし、春節明けの反動増による一時的な改善である可能性には注意が必要とされています。Bloombergでは、中国春節における8日間にわたった大型連休の1人当たりの観光収入は、2019年の同様の期間と比較して9.5%減少したとされています。また、新型コロナウイルス禍前の19年と今年の春節を比べた公式データは、観光客による国内旅行が19%増え、観光関連の売り上げが8%近く増加したとしています。
参考:中国景気概況(2024年4月) | 三菱UFJリサーチ&コンサルティング
春節後の中国経済、野村とゴールドマンは慎重な見方-景気悪化も想定 – Bloomberg
国内の工作機械受注と中国景気との関係
中国の景気は、日本の工作機械受注にも大きな影響を与えます。
中国企業の設備投資増加により、日本の工作機械メーカーに直接発注する機会が増えるためです。
逆に、中国景気が悪いと、企業が生産能力抑制のために工作機械の購入を控えることで、日本の工作機械メーカーへの発注が減少します。
今後は、中国をはじめとする世界経済や米中貿易摩擦などの動向に注意が必要です。
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