異なる規格の混在は、充電設備の導入と保守を複雑化させました。
統一により、設備の選定と保守が容易となり、コスト削減と効率向上が期待されます。一方で、従来の充電関連ビジネスへの影響や新たな技術課題も浮き彫りになるでしょう。工作機械業界は、これに適応し競争力を維持する戦略を模索する必要があります。
EV充電規格の統一化が進展する中、これが工作機械業界に与える影響を考察します。
EV充電規格が世界的統合へ
EV充電規格は統一に向かう動きが加速しています。
電気自動車の主要な充電規格として挙げられるのは、、米国のCCS1と欧州のCCS2に代表されるコンボや日本のCHAdeMO、中国のGB/T、あるいは米国のテスラ社の独自規格です。
加えて、Chaojiは、CHAdeMO、GB/T、CCSの互換性を持たせた次世代規格として日本と中国で共同開発が進んでいます。
しかし、2022年にテスラはテスラ独自コネクタ・TPCを改良し、NACS(North American Charging Standard:北米充電標準規格)として新しい規格を公開しました。
北米をはじめとする多くの自動車メーカーがNACS規格でのEV投入を発表しており、EV充電規格統合の流れは世界的には明確になっています。
具体的には、フォード、ゼネラルモーターズ(GM)、メルセデス・ベンツ、日産自動車が2025年からの導入を決定しました。
充電規格の統一が製造業に与える影響
台湾の充電スタンド部品メーカーは、NACSとCCS1のサプライチェーンに参入しているため市場の恩恵を受けることが見込まれています。
ほかにも、ホンダの米国現地法人であるアメリカン・ホンダモーターやベンツ、BMW、GMなどの自動車7メーカーが、NACSとCCS1に対応した充電ステーション3万カ所を北米に整備するための合弁会社を設立する計画を発表しており、充電設備に関連する製造業界を後押しすると考えられます。
ただし日本のEV化は海外と比較すると、以前としてスローペースのため、充電規格の統合の流れにうまく乗ることができなければ、さほど恩恵も見込めない可能性があります。
今後もEV化による製造業および工作機械業界への影響に注視していきます。
まとめ
EV充電規格の統一化は、工作機械業界への影響を考える上で重要です。異なる規格の混在が設備導入と保守を複雑にし、統一によって選定と保守が容易となり、コスト削減と効率向上が期待されます。
ただし、従来の充電ビジネスへの影響や新たな技術課題も浮き彫りになるでしょう。工作機械業界は、統一の流れに適応し競争力を保つ戦略を模索する必要があります。
台湾の充電スタンド部品メーカーや自動車メーカーが新規格に合わせた充電ステーション整備に動いており、製造業界への影響も見逃せません。
日本のEV化が遅れている日本の工作機械業界は、変化に敏感に対応し、新たなビジネスチャンスを見極めていく必要があります。
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