2024年の工作機械業界は、受注総額が前年比1.8%減の1兆4600億円となり、やや低迷した1年となりました。
しかし、2025年は1兆7000億円へと回復する見込みであり、業界全体の回復基調が期待されています。
本記事では、2025年の工作機械業界の動向を、受注・生産・輸出の各視点から考察し、今後の展望を探ります。
受注動向|2025年は回復基調へ
2024年の工作機械の受注総額は前年比0.1%の4,851億円であり、2024年末には下げ止まりの兆しが見えています。
2025年には1兆6,000億円の受注が見込まれています。回復要因の1つは、米国の設備投資回復です。政府の経済政策が製造業を後押しすると考えられます。また、景気刺激策により中国市場の安定化も期待されます。円安が続けば、日本製の工作機械が輸出市場で価格競争力を持つことも1つの要因です。
一方で、欧州市場はウクライナ情勢の影響が続き、不透明感が拭えません。和平合意が進めば復興需要が発生し、需要拡大が期待されます。
生産動向|2025年は1兆500億円へ回復
2024年の生産額は9000億円(前年比-14.4%)と減少しましたが、受注残高が一定水準を維持していることから、2025年には回復すると予測されています。
インフラ投資や製造業の回復が影響国内需要の持ち直すほか、人手不足を背景に、自動化・省人化需要は増加するでしょう。結果、工作機械とロボットの統合需要拡大が期待されます。
輸出動向|円安と米国市場が追い風
2024年の輸出額は7400億円(前年比-10.9%)でしたが、2025年には8500億円(+14.9%)へ回復が見込まれています。
一方、輸入額は円安の影響で前年比-9.4%となり、2025年も同水準を維持する見込みです。日本国内での工作機械の生産優位性が高まる可能性があります。
業界のトレンド|自動化とスマートファクトリーの進展
2025年の工作機械業界では、自動化とデジタル化の進展が重要なテーマとなります。例えば、搬送装置や検査機器との統合を目指し、省人化・効率化を目指す企業の増加が見込まれます。
また、ソフトウェアによる生産管理の最適化、スマートファクトリー化が進むでしょう。加えて、環境負荷の低減のため、エネルギー効率の高い工作機械の需要も増加するでしょう。
特に欧米市場では、環境規制の強化により、省エネ型の工作機械やスマート制御機能を備えた設備が求められています。日本メーカーの技術力が試される場面となるでしょう。
■ まとめ|2025年は回復基調、持続的な成長がカギ
2024年の低迷を経て、2025年の工作機械業界は回復が見込まれます。
- 受注総額は1兆6,000億円へ
- 生産額は1兆500億円に回復
- 輸出は8500億円に増加し、円安が追い風
今後の業界成長のカギを握るのは、自動化技術の導入と環境対応の強化です。株式会社ダイナでは、こうした市場動向を踏まえ、中古工作機械の買取・販売を通じて、業界の発展に貢献してまいります。
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